また今度

やる気だそうったってそうはいかない

世界に溢れるポジティブ押し付けマン

ポジティブを押し付けてくる人って本当に人の気持ちわからないのかな。
周りにいません?こういう人。

・人の相談にのるのが大好き
・でも解決策が提示できるわけじゃない
・結局「でも、笑顔でがんばろっ☆」って言いたいだけ
・そう言ってるポジティブなアタシって素敵
・「笑顔で」「元気に」「必ず道は開ける」「やまない雨はない」系の言葉大好き
・「とりあえず今は辛くて動けない」という訴えが聞こえない

前の職場の先輩にいたんです。
嫌な人じゃなかったんですけど、無理やり相談させようとしてくるのが鬱陶しかった。
最近どう?から始まって仕事忙しいって話になって、私はそこまで悩んでないのに真剣に聞いてる感出して最後に「たまちゃん、笑顔笑顔!がんばろっ」って。
は?笑顔ですが?と思ってた。

本当にしんどい人に対してもそれをやるから目も当てられない。
散々話させて最後に「笑顔」「がんばろ」ってお前話聞いてたんか?と。

 

 

一度この人のポジティブ押し付け攻撃のせいで後輩がわざわざ夜に私に会いに来て泣いたことがあった。
先輩は私が新人で入った時の所属にいた人で、私が異動してからは一緒に仕事することはなかったけど私の後輩はそっちの所属に残っていた。

この時期は先輩と後輩の所属にも私の所属にもあまり仕事がなかったため、私は自分の所属と他所属Aに支援、後輩は他所属Bへ支援という状況だった。
もともと所属Bへの支援は私が入る予定だったが、また別の所属Cから過去にCでの業務経験がある人が絶対欲しいと強い要請があり部長権限で無理やり所属Bの支援を離れて所属Cに行くことになった。
その代りにもともと所属Bの一部に支援予定だった後輩が、私が入る予定だったポジションに入れられることになった。
(当時Cはシステム障害で大炎上中だったため上がかなり無理やり配置転換したっぽい)
まだPJ開始して3日ぐらいだったので引き継ぐものすらないという状況だった。

私も後輩も所属Bへの支援は初めてで経験や知識はそこまで違いはなかったが、当然ながら後輩は私よりもSEとしての経験がないし客先に出るのも初めてだった。
また、これまで開発系をやっていた後輩にとっては、どちらかというとSIerとしての役割が求められる所属Bの仕事はわからないことだらけだった。
そして所属Bは忙しさのせいか他に比べるとピリピリした雰囲気になることも多い。
さらに指導や管理をしてくれる女性上司はさっぱりした性格ではあるが言葉がキツイ。
あせったりパニックになると言葉や態度がきつくなる人だった。
私は気にしないようにしてたけど、それでも時に「今の言葉、本当に悪意はなかったんだろうか」と思うことがあった。

そんな状況で後輩は確実に弱っていってしまい、仕事もどんどんうまくいかなくなってきた。
私は所属Cの対応で全く会社に帰れなかったため状況を知らなかった。

ある金曜日に後輩から夜会えないかとラインが来たので夕飯を一緒に食べることにした。
私のせいで遅い時間になったがずっと待ってるというのでなんか様子が変だなーと思いながらもお店にいった。

初めこそ「たまさん、最近どんな感じですかー?」と明るく話し出した彼女だったが、
私が軽く状況を話したあとに「後輩ちゃんは?」と聞くとやっぱりだんだん様子がおかしくなってきた。
ぽつりぽつりと話し出したのは仕事がうまくいかないって言う話だった。
わからなすぎて手の付けようがないとか、お客さんへの対応がわからないとか、上司がキツイとか、いろいろあった。
最後には泣きながら「どうしたらいいかわからない。」「たまさんと比べられることがある。」「前向きにやろうと思ってもできない。」と言っていた。
 

私と比べられることがあるから私に会いに来たのかなとも思ったけど、それにはなんとなく違和感があった。
彼女はBの支援をしていたとしても、席は自分の所属にあるのだから例の先輩とならいくらでも会えるし話せるはずだ。
私より先輩の方が状況を知っている可能性が高い。
それに先輩の方がSEとしてもSierとしても経験がある。
だから「先輩とかにはなんか相談してみた?」と聞いたら、
「『何事も経験だし成長になるから、笑顔で頑張ってみよう』って言われました。でも、私にとってはもう笑顔で頑張るって状況じゃないです。
先輩みたいにやり方がわかってる人ならそうなのかもしれないけど・・・・
私そんなに頑張れないし、そんなに笑顔で辛いことも乗り切れるってわけじゃないし、まぁ・・・私が悪いんですけど・・・」と答えた。

あぁ、それで余計に追い詰められたのかなぁと思った。
「私が悪いんですけど」って言った気持ちがすごくよくわかった。
何を言っても「経験になるから」「笑顔で頑張ろう」って前向きなことばっかり言われると、泣き言言って前向きにとらえることができていない自分が悪いかのように感じてしまう。
そうやって彼女は、もう踏ん張れなくなったのかなと思った。

とりあえず先輩のことを悪く言うことでもないので「先輩みたいにいろいろ知っててさらに明るいと強いよね、私はそうやってできないなー」って言っておいた。

心配していたけど、後輩は次の週もちゃんと出勤したようだった。
後に所属Bへ支援に行った時、Bの女性上司から「前に後輩ちゃんのこと泣かしちゃったの。」と話された。
後輩がお客さんからの質問にちゃんと答えられず間違ったことを言ったり回答がずれたりしたことが続いたため「後輩さん、大丈夫ですか?」ってお客さんに言われたらしい。
それを叱った(?)か何かしたときに後輩がボロボロと泣き出したらしい。
ちょうど私とご飯に行ったぐらいの時期だなーと思って、もっと誰かフォローしてあげられなかったのかなと思った。

 

以前話題になりましたよね。
谷口崇さん(@t2homet2home)って方がツイッターでつぶやいたこれ。

「やまない雨はないとかじゃなくて 今降ってるこの雨がもう耐えられないっつってんの」

いやマジで本当にそう。
ポジティブ押し付けマンの皆さんにはこれを理解できるまで毎日音読でもしてほしい。
いや、理解はしてるのかもしれない。
それ以上に「ポジティブで素敵なわ、た、し★」の演出にはまりすぎてんのかな。
ポジティブなこととか明るく笑顔で乗り切ることって時としてすごい武器だけど、それってまだ余裕があるときの話。
それを押し付けてくる人は相手の気持ちを読み取れないのか読み取ろうという気がないのかどっちなんだ。
読み取る気なんてなくて、ただポジティブなお言葉をかけてあげる私ってかっこいい先輩☆って思ってるなら一人潰れちゃうきっかけになるからぜひやめてあげてほしい。

ちなみに後輩は私が結婚して退職する1年ぐらい前に「自分で考えたり頑張ってできる仕事じゃないと思いました」といって辞めていった。
なかなか一緒のPJに入ることなかったけど、実は後輩からこっそりと教えてくださいと連絡がきたりすることがあったためいろいろ話す機会は一応あった。

(チーム内がピリピリしすぎてチーム内で質問できなかったらしい。完全に委縮しているなと思った。普段はそこまで気が弱い子ではないはず。)


そのたびになるべく気持ちが軽くなるようにと思って接していたけど不十分だったみたいだ。
明るくて元気な子で、暗くなりがちなSEの集団に必要な子だったのになぁ。